お知らせ

武蔵野文化協会ニュースレター第4号(2022.3.11)

             仏教考古学の探求と招待への一冊  

  本会会長・立正大学特別栄誉教授である坂詰秀一先生は、令和3年11月『仏教の考古学』 上・下巻(A5判〈上巻191頁、下巻197頁〉)を株式会社雄山閣から上梓されました。碩学 大儒の研究道程を学ぶことができる一冊です。著者が高校生で参加した長熊廃寺調査(1952年 夏)での石田茂作先生からの教導や10年に及ぶネパール・ティラウラコット遺跡調査を礎に構 築形成された仏教考古学の理念がこの上下巻2 冊に集約されている。この理念は、石田の仏教 考古学概念を越えて宗教考古学研究の一分野としての位概付けを闡明し、物質的資料「モノ」 の背景である形而上の意識や信仰解明の方法論を大系的に示されている。『仏教考古学事典』(雄 山間出版2003・5、新装版2018)と併せて座右に置き、仏教考古学の探求と招待への一冊として お勧めしたい。                                  (松原典明)

武蔵野文化協会ニュースレター第4号